会社法と特例有限会社

特例有限会社の変更などの手続きをします。

主たる対応地域は、愛知県、三重県、岐阜県及び名古屋市内です。

現行有限会社(平成18年4月30日現在有限会社である場合)が会社法・整備法施行後に選択可能な道は三つあります。

【会社法・整備法施行後の選択肢】

1.特例有限会社として存続し続ける。

2.「商号変更による通常の株式会社への移行」を行ない株式会社になる。

3.組織変更をして持分会社(合同・合名・合資会社)になる。

特例有限会社として存続し続ける場合

1 原則手続は不要

既存の有限会社は、当然に特例有限会社に移行します。

そのために、定款の変更や登記の申請など特段の手続は、一切必要ありません。

(1)何ら手続きをすることなく自動的に会社法に規定する株式会社となる。

(2)名前は有限会社、中身は株式会社。

(3)多数の特則によって、株式会社となっても現在の有限会社としての経営可能。

(4)特例の適用期限はないので、ずっと有限会社として残ることができる。

2 例外

登記の申請が必要な場合が二つあります。

(1)みなされた種類の株式がある場合
イ 議決権の数又は議決権を行使することを得べき事項についての別段の定めがあるときと
ロ 利益配当について別段の定めがあるとき
ハ 残余財産の分配についての定めがあるとき
(2)確認有限会社の場合
既存の確認有限会社は、会社法の施行とともに、当然に特例有限会社に移行します。旧確認有限会社の定款には、解散の事由として「資本の総額を300万円以上とする、変更の登記若しくは株式会社、合名会社若しくは合資会社に組織を変更した場合にすべき登記の申請をしないで設立の日から5年を経過したときに解散する」旨の定めが設けられ、かつ、この解散の事由の定めは登記されています。
上記のような解散の事由を定款に定めている特例有限会社にあっては、当該定めを廃止する定款の変更をして、解散の事由の定めの廃止による変更の登記の申請をしなければならないこととなります。

みなし規定

・定款変更手続きの必要性(※1

会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の第6条に次の規定があります。

※1

(定款の備置及び閲覧等に関する特則)

第6条 第二条第一項の規定により存続する株式会社(特例有限会社)は、会社法第31条第二項各号に掲げる請求(定款の閲覧請求)に応じる場合には、当該請求をしたものに対し、定款に記載又は記録がないものであっても、この節の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。

定款とは別の書面に、みなし規定による定款の追加・修正・抹消事項を記載して、 その別紙を会社の備置定款に付しておくという手続きが必要と考えられます。

その他

・会社法の株式会社とは異なる扱いを・・・・受ける点があること

特例有限会社として残ることのメリット・デメリット

「商号変更による通常の株式会社への移行」手続きの要否の判断

商号変更による通常の株式会社への移行を行ない株式会社になる場合

移行のメリット

通常の株式会社へ移行すると、
@商号に株式会社の文字を使用できます。
A株式の譲渡制限に関する定款の定めを廃止し、公開会社となることができます。
B機開設計に柔軟に対応でき、取締役会の設置、会計参与の設置、会計監査入の設置等が可能となります。
C他社を吸収合併すること、他社の事業を吸収分割により承継することができるようになります。
D株式交換、株式移転をすることができるようになります。
E特別清算制度の適用があります。

移行のデメリット

通常の株式会社へ移行すると、
@取締役の任期が法定され(選任後2年、定款で10年まで伸長可)、監査役の任期についても法定される(選任後4年、定款で10年まで伸長可)ため、定期的に役員の変更登記の申請が必要となります。
A休眠会社のみなし解散の規定が適用されることになります。
H計算書類の公告が必要となります。
C附属明細書の作成が、例外なく必要となります。

通常の株式会社へ移行する場合

登記申請、官公庁の各種の変更届出が必要となります。

有限会社から株式会社に移行

株式会社の設立   参照


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