契約書と印紙税

印紙税法は、契約書の内容たる契約の法律的性質及び契約の目的の価額によりそれぞれ税額を定めています。

非常に複雑なものもあります。

契約書には、契約の種類に応じて、印紙税法に定める収入印紙を貼ることが必要です。

また、印紙は「当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければならない」(印紙税法第8条第1項)となっています。

印紙税の問題は契約書の効力とは全く別の問題

収入印紙が貼ってないから 契約書は無効であるとか、貼られた収入印紙の額でしか効力が発生しないということ は全くありません。

ただし、しかるべき印紙を貼ってない場合、または所定の額より低い印紙を貼って いるような場合は、印紙税法により過怠税を徴収されます。

■書面の標題や名目にとらわれないこと。すなわち契約の成立を証する文書であれば、すべて契約書として扱われます。

■当事者の一方だけが作成し、相手方に差し入れる念書、請け書などでも、すべて契約書として所定の印紙を貼らなければなりません。

■基本契約書にもとづく協定書、合意書なども独立した文書としての印紙を貼ら なければなりません。

■「仮契約書」も契約書として扱います。

■「写」「副本」「謄本」などと表示した契約書であっても、契約当事者の署名、押印 のあるものは、「正本」「原本」と同じく契約書として扱います。

■同じ契約書を二通以上作成し、契約当事者、保証人、立会人が保持するための ものとして成された契約書にはその全部に印紙税がかかります。

課税物件及び税率

・不動産・鉱業権・無体財産権・船舶・航空機・営業の譲渡に関する契約書

・地上権・土地の賃貸借の設定・譲渡に関する契約書

・消費貸借に関する契約書

・運送に関する契約書(用船契約書を含む。)

契約金額 金額
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
50万円以下 400円
100万円以下 1,000円
500万円以下 2,000円
1,000万円以下 10,000円
5,000万円以下 20,000円
1億円以下 60,000円
5億円以下 100,000円
10億円以下 200,000円
50億円以下 400,000円
50億円超 600,000円
契約金額の記載のないもの 200円

・請負に関する契約書

契約金額 金額
1万円未満 非課税
100万円以下 200円
200万円以下 400円
300万円以下 1,000円
500万円以下 2,000円
1,000万円以下 10,000円
5,000万円以下 20,000円
1億円以下 60,000円
5億円以下 100,000円
10億円以下 200,000円
50億円以下 400,000円
50億円超 600,000円
契約金額の記載のないもの 200円

・合併契約書、分割契約書、分割計画書、定款40,000円

・継続的取引の基本となる契約書4,000円

一口メモ

消印とは、契約書に収入印紙を貼った場合、その印紙と下の用紙にまたがって押す印をいいます。 印紙を二度流用することを防ぐため文書の作成者は消印を押す義務があります。

消印を押し忘れたりすると、その印紙額と同額の過怠税をとられることがあります。

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