契約書を作成した場合、その契約書に作成日を記載することが必要です。
もちろん、日付の記載は法律上の一要件ではありませんから、日付のない契約書でも有効です。
記載がなかった場合は次の様な問題が生じます。
契約書の作成日付は、
・その作成日現在、作成者が代表取締役の任期中であったかどうか
・成年に達していたかどうか
・破産宣告を受ける前であったか後であったか
・ある法律上の有効期間内であったかどうか
というような事実を端的に示す重要な意味をもちます。
又契約書の中で契約の有効期間の始期(効力発生日)を定めなかったときはこの契約締結日がそのまま契約の有効期間の始期(効力発生日)と推定されますので、はっきり平成○年○月○日と記載します。
それとともに、その日から契約が有効になることで問題ないか検討する必要があります。
ところで、契約は当事者双方の合意があれば成立し、契約書の作成とはかかわりなく成立しますから、実際問題として、契約が成立した日と、契約書が作成された日が、一致しない場合があります。
こんな場合、わざわざ契約の作成日をさかのばらせて、実際に契約が成立した日を記載することがよくありますが、やはり事実と符合しないことで望ましくはありません。
このような場合には、事実に即して契約の成立日と作成日とを明確に契約書の前文に書いておくのがよいでしょう。
借地契約で契約書なしというパターンがあります。
20年前とか30年前から契約書なしで「貸している」「借りている」という話の中で、建物の朽廃とか、相続等があった場合どうしようという問題を抱えている人がいます。
この場合も
甲・乙又は契約内容を知っている人が健在のうちに、名古屋太郎を甲、愛知太郎を乙とし、甲乙間において昭和×年×月×日に甲所有の物件について成立した借地契約につき、その契約内容を明確にし、相互の確実の履行を期すために、本日、本契約書を作成し、これに双方調印するものとする。
と契約書の前文に書いて契約書を作成すると、非常に良いと思われます。
確定日付がなければ、契約書の作成日を第三者に対抗することができません。
契約書に記載された日付は、原則として契約当事者間にしか通用しないことになります。
ただ契約の相手方を拘束するだけで十分であり、第三者との間に問題が生じない場合は、確定日付は必要ありませんが、二重契約とか、契約はどちらが先かという問題に対処するには、その契約書を公証役場に持参して確定日付を押してもらう必要があります。
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