契約書の書き方

  • 契約書のタイトル
  • 契約書の前書き/後書き
  • 契約の締結日
  • 契約の当事者
  • 契約用語の一口メモ
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    契約書の前書き/後書き

    契約書の前書き(前文)について

    一般的な契約書を見ますと

    ■△△△△株式会社(以下甲という。)と株式会社(以下乙という。)との間において、次とおり契約を締結した。

    ■貸主△△△△株式会社(以下甲と称す)借主株式会社(以下乙と称す)上記甲乙間に於いて下記の通り賃貸借契約を締結する。

    ■名古屋太郎を甲とし、株式会社を乙とし、甲所有の店舗を次の条項に定めるとおり、甲乙間において賃貸借契約を締結した。

    この部分が前書き(前文)「契約の当事者、契約の目的や、契約締結の趣旨が記載されたもの」です。このような前書きは、書いても書かなくても契約書の効力には関係はありません。

    契約書全体からみて、誰と誰の契約で契約の目的がなんであるかわかれば、あえて書く必要はありませんが、書くメリットとしては、この契約は誰と誰との契約であるかということを明確にします。

    契約成立後、真の契約当事者は、会社か個人か、本人か代理人か、ということが不明の場合トラブル可能性があります。前文はそのようなトラブルを事前に除去する効果があります。

    ◆契約の当事者が会社の場合、株式会社富士山(以下甲という。)というように商号だけを書きます。

    ◆株式会社富士山代表取締役名古屋太郎(以下甲という。)というように書くことは、会社(株式会社富士山)の契約なのか個人(名古屋太郎)の契約なのか、識別が困難になります。 当事者の名前・名称を何度も何度も書くことの煩雑さを避けるため、略符号を用いります。

    符号はAでもBでもよく又略符号を避けて一方を「売主」他方を「買主」若しくは一方を「貸主」他方を「借主」という略称を用いても良いわけです。

    ■ 契約書の後書き(末文)について

    一般的な契約書を見ますと、契約書の末尾に「この契約を証するため、本証二通を作成し、甲乙各署名押印(捺印)のうえ各一通を保有する。」又保証人がいれば「本契約を証するため本契約書を三通作成し、甲・乙・丙各署名押印の上、各一通を保有する。」とあります。

    この末文も、別に契約書の効力に関係のない文書ですから、省略してもかまいません。

    これは一般的な慣行で法律は何通作れとか各自がそれを保有しろという規定はありませんが、これによって同文の契約書が何通作られたこと、契約の当事者がその契約書を所持していることが分かります。

    相手の一方が手持ちの契約書を改ざんした場合、契約書に押された捨印などを悪用して、契約条項の文句を自分に都合の良いように加除訂正してしまった場合、もしも、契約書を一通しか作っていなかったとしたら、誰が考えても大変なことになります。

    契約の当事者が各自署名捺印をし、各自その契約書を所持していたらそれをつきつけて相互に比較対照すれば、改ざん箇所はズバリ分かるという実益が得られます。

    「署名」とは、みずから手書きで自分の名前を書くことです。

    自筆で氏名を書くこと、すなわち本人自身のサインのことです。

    「記名」とは、自分の氏名を彫ったゴム印を押すこと、又タイプ・ワープロなどで氏名を打った場合のことです。

    末尾に記名押印(記名捺印)、署名捺印(署名押印)とかあります。

    これは、 次の法律に関係があります。

    「商法中署名すべき場合に関する法律」に

    商法中署名スベキ場合ニ於テハ記名捺印ヲ以テ署名ニ代フルコトヲ得

    「手形法」

    第82条 本法ニ於テ署名トアルハ記名捺印ヲ含ム

    「小切手法」

    第67条 本法ニ於テ署名トアルハ記名捺印ヲ含ム

     

    法律が要求する第一原則は「署名」第二が署名に代わるべき「記名捺印」という順序になります。ハンを押すのは、記名の場合であるときだけです。

    署名のときにはハンを押す必要がないことになります。

    これは、法律上の建てまえであり、今なお強い慣習として、サインよりもハンのほうに比重がおかれています。

    申込書、許認可申請など官公署に提出する書類には、ほとんどハンを要求されます。

    何でもハンというかんじですが私の仕事の関係からいけば、入管関係(入国手続き等)の書類はハンがいらないのがあります。

    これは外国にはハンという慣習がない国が多いということです。又他人に代わって氏名を書いてもらった場合は、「記名」となります。

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